愛犬との最後の年

夜中咳をたまにするようになった・・・

愛犬が苦しそうにするたび、病院へ行って薬もらってこようかといつも心が揺れる・・

しかしそうしても愛犬はあまり薬も飲んでくれないし酸素ボンベなんてつけてくれるはずもなく自分で何かつけられるとすぐに外してしまう性格なのだ・・・

いつも大丈夫かなって思いながら朝晩のかなりゆっくりな散歩の他外出もたまにしかせず愛犬も家の中でずっと寝ていた・・・

秋ごろまでは外に出て昼の3時半にはもう散歩連れてけって家の中に誰もいなくてもわんわんと吠えてみんなどうしたんだろうと聞いてくるご近所さんもいたくらいだった・

誰もいない家の中に向かって吠えていても帰ってくれば何事もなかったように散歩連れて行ってとそのしぐさをする・・・

そして餌はしっかりと食べ散歩へ出かける・・・外では急ぎ足・・・

何処も悪く無い元気な愛犬に見えた・・・

食欲もかなりありしっかり散歩もする・・・ただいつも愛想もなく誰にもなつかない・

それでも外へ行くのは好きなのかあたりをなめまくり自分の行きたくないところは踏ん張っていた・・・

わがままな犬と周りの人から笑われてもお構いなく、もう吠えもしないしあまり周りを気にすることもなくなっていった・・・

冬に近づくにつれ愛犬は私が止まると気を使ってずっとそこで待っててくれるようになった・・・

やさしくなったのかしんどいからもう抵抗しなくなったのかわからないけどこちら引っ張る事がほとんどなくなった・・・

ただ目はもう見えていないのはよくわかった・・・

つまずかないように段差の所はゆっくりと気を使いながら時間をかけて散歩をするようになった去年の冬、まだ暖かかった・・・